[COLUMN] Album of the Year 2014 – 2014年に聴いたアルバムベスト10
さぁやってまいりました、今年の10枚を振り返るという俺だけが得するこの企画。今年も完全な自己満で張り切って10枚選んでみました。今回かなりジャンルに偏りがあります。小難しい音楽ばかりチョイスしちゃいました。これも歳のせいでしょうか。おっちゃんもう37歳ですしね。
Top 10 Albums of the Year 2014
Royal Blood – Royal Blood (2014)
2013年に4曲入りEP「Out of the Black」を出していたUKロックデュオの1stアルバム。UKアルバム・チャートで1位になったそうです。今年の1位はメジャーどこ持ってきました。バンドではなくわざわざ「デュオ」とあるのは、ベースとドラムだけのバンドだからです。しかもライブでも2人だけでやってるらしい。「じゃこのギターサウンド何なんだYO!」と思ったんですが、どうやらベースをベースアンプ以外にギターアンプにも出力して同時に鳴らしてるらしい。なのでその前提でアルバムを聴くと、確かにベースとギター(っぽい音)が常にユニゾンしてます。なかなか器用なバンドですね。音楽的には今風のヘヴィロックンロールなんだけど、ストーナーの影響も色濃く感じます。実際彼らQueens of the Stone Ageとか好きみたい。またワケの分かんない変拍子とかいきなり出てきたりして、若干プログレ的でもあります。この音楽が売れる国ってのは文化的に成熟してるなぁ、とか思いました。いやホラ、日本の音楽シーンって終わってるからさ。ジャケットもワケ分かんない感じでクール。ロック野郎に超オススメの1枚です。
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Jaga Jazzist – What We Must (2005)
東京ジャズフェスで観て、1発で気に入ったバンド。ジャズというよりはフュージョンというかプログレというか、どこかのジャンルに入れづらい音楽ですが、Wikipediaではエクスペリメンタル・ジャズとして紹介されてました。ノルウェー出身で、1stアルバムが1996年なので結構長い間活動してるバンドみたいです。2013年に出したライブアルバムが最新作なんだけど、今年特に聴いたのは2005年発表のWhat We Mustというスタジオ・アルバム。このアルバムの4曲目「Oslo Skyline」は今年再生数が1番多かった気がする。ちなみにライブでは「Tokyo Skyline」として紹介してました。
メンバーが9人いて、かつ全員が複数の楽器を演奏します。なのでライブではみんなコロコロ楽器を変えます。すごく器用。音楽も曲によってはエレクトロニカっぽかったりシューゲイズっぽかったり、オルタナ的要素もありかなり幅広い印象。
Opeth – Pale Communion (2014)
スウェーデン出身のプログレバンドの11thフルレンスアルバム。古くからのファンであればOpeth言うたらデスメタルやろ!言いそうなアレですが、ここ2,3作はほぼプログレと言って差し支えないかと。実を言うと俺もOpeth聞くのは10年以上ぶりで、1stとかはリアルタイムで聴いてたんですが、それ以降はエクストリームミュージックに興味を失ったためしばらく聴いていませんでした。けどここ数年プログレを好んで聴くようになり、以前とは違うアプローチでまた彼らの音楽を聴くようになりました。んで11枚目となるこの作品ですが、常に鳴っているオルガンサウンド、古臭いスネアサウンド、突然出てくる変拍子、どれをとっても70年代の古き良きプログレ趣味丸出しの1枚となっております。長めの尺8曲ですが、冗長にならず捨て曲は1曲もなし。珠玉のプログレアルバム。
Dystopia – Way to Unfold (2014?)
Wikipediaに記述がないのでバンドのFacebook Pageで調べたところ、ハンガリー出身のプログレ・メタルバンドだと分かりました。今回選んだ10枚の中では一番メタル寄りかも。Dream Theaterとかソレ系のプログレ好きに好まれそうな音です。アルバムのタイトルトラックでもあるWay to Unfoldがね、もうね、珠玉の1曲と言いますか、タマらんわけですよ。展開といい歌メロといい、奇跡の1曲と言っても差し支えない見事な作品。今年一番よく鼻歌歌った1曲かもしんない。
Crobot – Something Supernatural (2014)
アメリカ、ペンシルバニアのハードロックバンドの2nd。タイトルがSomething Supernatural、んでそのジャケットがこの絵。説明せずともストーナー・ロック、サザン・ロック系だとすぐに分かる流れでございます。リフ主体の曲、ハイトーンヴォーカル、横ノリ主体で70年代趣味丸出し。最近のバンドだとWolfmotherとか好きな人にはおそらくビンゴなサウンドです。この手のバンドはわりと多く見かけるけど、彼らは押しの強いギターリフがとっても特徴的です。ギターロックがとにかく好きな人におすすめ。1stまだ聴いてないから探さなきゃ。
Soen – Tellurian (2014)
エクストリーム・メタル界隈におけるスーパーバンドSoenの2nd。彼らの作品を聴くのは今作が初めてなんだけど、陰鬱で難解な大人のロックという感じで、1発で好きになりました。どのあたりがスーパーバンドなのかと言うと、元Opethのドラムと、元Death, Testament, Sadusのベースが始めたバンドと言えば分かりやすいかも。メンバーはエクストリーム・メタル界で有名ではあるけど、Soenでの音はそれほどゴリゴリしたものではなく、しっとりとした聴かせるロックです。ToolやDredg、The Butterfly Effectあたりが好きな人に好まれそうです。ジャケのシュールさもクールです。
Opus of a Machine – Simulacra (2014)
バンドのドラムが「お前こういうの好きだろ」と言って教えてくれた、オーストラリア、クイーンズランド出身のプログレバンド。ロゴとジャケを見ただけで「あーこれもう好きなやつだ」と確信。んで最初にAn Echo Undoneを聴いて1発で好きになりました。メンドくさいギターリフ、ポリリズム、スペーシーな空間系エフェクトのギター、全てが大好物です。Tool, Opeth, Radiohead, Devin Townsendあたりに影響を受けているようで、この手の音が好きな人にオススメ。まだインディーにもなってないバンドのようなので音源探すのは大変ですが、bandcampで全曲聴く事ができます。1stでいきなりコレなので、今後がとっても楽しみなバンド。
Seether – Isolate and Medicate (2014)
2011年のHolding Onto Strings Better Left to Fray以来、3年ぶりとなる5thアルバム。「好きなバンド3つ挙げろ」と言われたら、わたくしSeether, Queens of the Stone Age, Alice in Chainsと答えるくらいSeether好きなんです。待ちに待った新譜ではあるんだけど、正直そこまで良くはなかった。いや、悪くないし実際よく聴いてたんだけど、2007年のFinding Beauty in Negative Spacesほどの絶望と陰鬱感、出口の見えないトンネル感みたいなものがあまり感じられませんでした。もちろん普通に考えれば十分暗い音楽ではあるんだろうけど、暗いなりに出口が見えてるというか、閉塞感みたいなものが減っちゃったなぁという印象。自分は彼らの底の知れない陰惨な音楽が好きだったので、そこがちょっと残念だなぁと。それでもよく聴いたので今年の1枚にはなるかなーと。
Manmade God – Manmade God (2003)
アメリカ、オークランド出身のロックバンド。音楽的にはポスト・グランジなんだけど、リリースが2003年なのでポストと言うには早過ぎるかも。残念ながらこのアルバム1枚で解散してしまったんだけど、嬉しい事に2012年に再結成して、現在はOrionというバンド名に変更して活動しているようです(こっちはまだ聴いてない)。バンド名の斜に構えたセンスがもうタマらなく好きです。音楽的には、グランジという一気に駆け抜けたブームの残り香と言うにはあまりにももったいないというか、もうちょい世にでるのが早かったら間違いなくメインストリームとなってただろうポテンシャルを感じます。NirvanaやSoundgardenあたりが好きな人はきっと気にいるはず。
Sydonia – Reality Kicks (2014)
オーストラリア、メルボルン出身のロックバンドで、今作は2nd。ややプログレ寄りで、Dead Letter Circusあたりにちょっと似てます。あとMuseにもちょっと似てる。自分はどうもオーストラリアのバンドと相性がイイようで、「おっ!」って思うとオーストラリアンバンドである事が多いです。わりと歌ものロックで、ちょっとナヨっとしている点が特徴。ゴリゴリの男臭いアレではないです。4曲目の「Drag you out」あたりが特に好き。
番外編
今年はなんかプログレばかりだったけど、他にも色々物色してまして、10位には入らなかったけどこのへんもよく聴いてました。
- Minus The Bear – Infinity Overhead
- At The Gates – At War with Reality
- The Afghan Whigs
- Jack Foster III – Apple Jack Magic
- Heavy Grow – Pearls & Swine and Everything Fine
- Shihad – Fvey
- Dream the Electric Sleep – Heretics
- Aero – Chaos
- Dream the Electric Sleep – Heretics
- Electric Six – I Shall Exterminate Everything Around Me That Restricts Me From Being The Master
- Meshggah – The Ophidian Trek
プログレ、Mathメタル、ストーナー。これ系が多いですな。なんつーか最近オーストラリア産のプログレ勢がめっちゃアツいのです。自分の個人的な好み以上に、シーン全体としてプログレが盛り上がってる気がしてます。こういうバンド増えてくれると嬉しいですな。
ふぅ、ギリギリ年内に間に合った。というわけでみなさん良いお年を。
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