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[MUSIC] Top 6 Gothic Album (Private rating) – ゴシックメタルを聴く上での6つのアルバム

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Evanescenceなどの影響で少しずつファンが増え、認知度も上がってきているゴシック・ミュージック。けどね、正直言わせてもらいますとあんなのはコマーシャル過ぎるんです。ゴシック趣味とは本来パンクと対照的な意味でのアウトロー的なスタイルなんです。消極的、絶望的、退廃的、耽美主義的である事こそがゴシック趣味の美徳であると思うんです。「外に開けたゴシック・ミュージックなんて聴きたくない!陰々鬱々とした内に向かうスタイルこそがゴシックだ!」という極めて個人的な意見を元に、90年代における代表的なゴシックアルバムを私見で選んでみました。主にゴシック・メタルです。とりあえず「これなしで生きていけない」という基準で6枚選んでみましたが、今後少しずつ追加するかもしれません。00年代に入ってからのいわゆる第3世代ゴシックバンドについては取り上げてないけど、Within TemptationLacuna Coil等の良質なバンドも増えているので、その内追加するかも。

The 3rd and the Mortal / In This Room
1997 Voices of Wonder

本来このバンドの中でコレという1枚なら、1stの『Tears Laid In Earth』を挙げるのがセオリーなんだろうけど、自分の場合は3rdにあたるこの作品が一番好き。1st発表後にヴォーカリストのKari Rueslattenが抜けて、変わりにAnn-Marie Edvardsenが入った事でクラシック色が後退、変わりにモダンでアバンギャルドな方向になったのが個人的にはビンゴ。「Stream」、「Harvest」などの聴きやすい楽曲にサンドイッチされる形で「So Pure」、「Sophisticated Vampire」といった好き放題やってる曲を入れるあたり、もうこの頃には××メタルという形にとらわれない方法論が確立してるという印象。ラストの「Sleep」で美しく終わるという構成で、アルバム1枚通して「美しい」という言葉がピッタリ。自分が死んだら棺桶に入れてもらう1枚。

The Gathering / Nighttime Birds
1997 EMI/Century

1st、2ndでは思いっきりデスヴォイスだったバンドなんだけど、3rdから女声ヴォーカルのAnnkeが加入して一気にメジャーになったオランダのゴシックメタルバンド。ゴシックバンド=女声ヴォーカルという図式を作ったバンドのひとつ。彼らの偉大な功績としては、Annke加入後初のアルバム、『Mandylion』が有名だけど、個人的にはその次の4th Album『Nighttime Birds』が特に好き。まぁ早い話Annkeのヴォーカルがもう最高というか、The 3rd and the mortalのKariとは違う意味で天使の歌声というか、美しいの一言に尽きます。ラストの「Shrink」なんて目も開けていられません。ちなみにこのアルバム以降はゴシック的なスタイルは維持してるものの、メタル色が後退してトリップ・ホップ気味の音楽性にシフトしてます。そっちはそっちで悪くないというか、オシャレな感じでわりと好き。

Theatre of Tragedy / Velvet Darkness They Fear
1996 MASSACRE

1stアルバムの『Theatre of Tragedy』で、邦題として『シスター・オブ・トラジェディ』というやっちまった系のオビを付けられた事で有名なバンドw まぁそのあたりはテイチクのご愛嬌ということで。1stは初期のゴシックバンドご用足しのダン・スウォノ所有のユニサウンド・スタジオでのレコーディング。けど彼らの作品の中で一番好きなのはここで紹介する2ndアルバム。ソプラノヴォーカルを主体とした、わりとクラシカルな作風。ただし3rd以降徐々にエレクトロニカ嗜好を強めていき、5thの『Assembly』あたりになると、ダンスミュージックと言ってもいいような作風に。まぁそれはそれで好きなんだけど。彼らの中で最も好きな曲という事なら、1st収録の「…A Distance There Is…」が最強なんだけど、トータルで最も良くできたアルバムという意味で2ndがフェイバリットかな。

Anathema / The Silent Enigma
1995 PEACEVILLE

フルレンスアルバムとしては2nd。特にヘヴィーで暗い音像のゴシックミュージックとしての傑作。音楽や詞のそこここに感じられる宗教色と、頻繁に使われるアコースティックギターこそが彼らの独自性だと言えるんじゃないでしょうか。特に後半、「The Silent Enigma」から「A Dying Wish」に続く流れは圧巻の一言。当時はこんな音楽がこの世にあること自体信じられなかった。生きるための夢も希望もない最高のゴシックアルバム。ちなみに彼らも他の例に漏れず、今作品以後は音楽性が拡散していきます。彼らの場合は徐々にプログレッシヴな方向に向かう事になり、結果的にPink Floydに極めて近い音楽性のバンドに変化していく事に。テクニカルという意味ではなく、メンタル面でのプログレッシヴミュージックと言うと分かりやすいかも。特に最新作『Fine day to exit』あたりは70年代趣味丸出しなのにモダンな作風になってて、プログレ好きに特にオススメできるゴシックバンド。

Paradise Lost / Draconian Times
1996 Koch Records

ゴシックメタルを語る上で決して外す事のできないバンド。昨今言われる“ゴシックメタル”とは、彼らの『Gotihc』こそが語源であり始祖であります(Celtic FrostやDead Can Dance等がルーツではるけど)。けど自分の場合はその2作後のアルバムである今作がフェイバリット。『Gothic』ももちろんイイ作品なんだけど、成熟した彼らの音楽が聴けるという意味で今作がオススメ。とにかく捨て曲がなく、集中力の途切れないままアルバム通して聴けるのがイイ。また『Gothic』と『Draconian Times』の間にある『Icon』アルバム収録の「True Belief」という曲、この曲のためだけにアルバム買う価値あります。

My Dying Bride / The Angel and the Dark River
1996 Peaceville/Snapper

ギターの単音リフから始まる、陰鬱で逃げ場のない絶望的なアルバム。そういう意味じゃゴシックミュージックの極みとも言える作品。「楽器ができないからヴォーカルやる」という、短絡的極まりない理由で起用されたAeronのお経ヴォーカルがタマらない作品です。いやマジでバカにできません。ヴォーカルのくせにあまりウマくないという、「おいおいそれでフロントマンつとまるのかよ」という彼ですが、My Dying Brideの音楽には欠かせない存在。そういう意味じゃヘタウマヴォーカリストという範疇でしょうか。メンバーの中にヴァイオリニストがいるというちょっと変わった編成もあり、ゴシックバンドの中でも毛色の違う存在。1曲目の「 Cry of Mankind」は12分もあるくせに、曲そのものは正味半分。後は延々と冗長なアウトロをループしてるだけという野心作。なのにこれがイイんだよねー。ピアノを主体とした耽美的な曲構成もゴシックファンにはタマりません。「美しくないものは全て悪」という耽美主義的な方にこそ聴いてもらいたい1枚。

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